数年前のある日、私が経営している漢方薬店に一人の女性がやってきました。その方は、お店に入るなり入り口で泣き崩れてしまいました。他にお客さんもいなかったので、彼女が泣き止むまでしばらく待ちました。
落ち着いた彼女は、少しずつ職場でずっと嫌な思いをしてきたこと。今日は特別つらい事があって、このまま家に帰ることができないと感じ、漢方薬店の看板を見て、迷わず飛び込んでしまったこと。少しずつゆっくりとお話ししてくださいました。
ひとしきりお話しを聴かせていただいて、私は温かいお茶を出しました。彼女はだいぶ気持ちがほどけたようで、初めて来たお店で、初めて会った私にこんなに胸の内をあらいざらい話してしまったことを不思議がり、入口でいきなり泣き出してしまってごめんなさいとあやまってくださいました。恥ずかしい気持ちもあったでしょう。すこしばつの悪そうな微笑みをうかべていました。
泣きながらお店に入ってきた女性は、「なんだかスッキリした」と明るい笑顔でお店を出ていかれました。
それから数日後、また彼女がやってきました。あれ以来、職場での嫌なことがそれほど辛く感じなくなって、少しずつ周りの人たちも変わったように見えてきて、大丈夫だと思えるようになったそうです。
カウンセリングを学んできたおかげで人の役に立てたかなと、とても嬉しく思った出来事でした。













